ここ数年で低価格帯~中価格帯のモデルが上位機種の技術のフィードバックの恩恵を受け、性能が爆上がりしている。そんな中で、私なりにおすすめ商品の解説をしてみたいと思う。
今回はリール編
なお、ここでいう価格帯はメーカー希望小売価格で40,000円程度(税抜き)までと考えていただきたい。(機種によっては若干数千円程度オーバーするのはご愛敬)
その前に、現在(2021年11月)の業界全体のリールのトレンドについて少し解説してみようと思うのでお付き合いいただきたい。
現在のリールのトレンドについて
え、リールにトレンドなんてあるの?
そう思っている方は多いのではないだろうか?
実は、今から10年前と比べるとそのトレンドは移り変わっている。と私は感じている。
10年前、または20年前でもまた違いが出る。
ベイトリール、スピニングでも大きく変わってくると感じている。
ベイトリールのトレンド
私がバスフィッシングを始めた2000年ころ、シマノではアンタレス・コンクエスト・メタニウム、ダイワはTD-Zやミリオネア、アブはアンバサダーモラムが主力だったと記憶している。特に、ルアマガの人気投票ではTD-Zが殿堂入りを果たすなどダイワのリールはなかなかの評判だったと思っている。その後、メタニウムが1位になったりとシマノ製品の上位ランクが多くなったと感じている。アブではモラムが廃盤になってからレボが誕生しロープロ型の価格も手ごろな実用性の高いリールが多くリリースされた。今江プロのシグネチャーモデルAE-74のモラムが限定で復活するなど目覚ましい躍進を遂げた。この時代のバス釣りはかなり面白いものだったと私は振り返ってそう思う。
ベイトリールの飛躍的な進化の要因として外せないのが、ベイトフィネス機のラインナップが明らかに増えたことだと感じている。バスフィッシングのルアーやリグの多様化とそれに伴うテクニックの向上で、スプール径の小径化と劇的な軽量化が進んだ。これが良いかは別としてその軽快感とスムーズな立ち上がりが評判を呼び、渓流ルアーの世界にも「渓流ベイトフィネス」なるものが誕生。渓流でベイトを使うのはアブのアンバサダー1500や2500シリーズではお馴染みだったが正直入手が困難だった。シマノやダイワが量産型のベイトフィネス機を次々とリリースし現在では渓流ベイトフィネスは定番となった。シマノのアルデバランやコンクエスト、ダイワのアルファスシリーズが火付け役となったと考えている。
近年では、リール自体のロープロ化も進み小型でパーミングしやすく扱いやすいモデルが多くなった。また、ベイトフィネスとは対極のビッグベイト対応のパワー系リールも人気が高く、ドラグ力の高いモデルも出てきている。シマノではデジタルコントロールによりバックラッシュを防ぎ、飛距離も伸ばすというDCブレーキも誕生し話題を呼んだ。
ただ、ここ3年程度はバスフィッシング自体が下火になってしまい、ベイトリールの需要が年々落ち込んでいるのは業界としては痛いところである。
スピニングリールのトレンド
20年ほど前にはまだバスブームの余韻が残っていたこともあり、2500番台がバスの定番として位置づけられていた。ソルト系はシーバスで3000番台の使用が多く、2500~3000番台がトレンドとなっていた。基本的に、バスの世界が釣り業界を牽引していたこともあり、どちらかというとスピニングよりベイトの割合が高かったように思える。
10年ほど前は、釣り業界は久々の「バブル期」が到来し業界を牽引するのはバスとシーバスの2大巨頭であった。そんな中でもソルト界ではメバリングやエギングというカテゴリーが確立し始め、それに伴いスピニングリールの需要が一気に上がった。メバリングなどのライトゲームは2000番、エギングでは3000番台のシャロ―スプール、シーバスやライトショアジギングでは3000~4000番台が普及し始め下位モデルにも同様の番手がラインナップされ、予算に合わせた製品をストレスなく選べる時代に突入した。もちろん技術的にも飛躍的に向上した。
今現在のトレンドは、渓流ルアー・ライトゲーム(特にアジング)・ライトショアジギング・エギングである。それに伴い、リールの番手が2000番・4000番・5000番と極端になってしまった。エギングでは2500~3000番のシャロ―スプールがメインになるが、年中エギングができる地域は限られるため、基本的には季節物としての扱いとなる。通年を通して品薄なのが2000・4000・5000なのである。
あとはシマノとダイワのリールの表記の仕方が2018年ころから似たような表記になった。以前はシマノC3000とダイワの2500が同等スペックだったのが、現在はダイワの表記が3000Cのようになった。なぜ表記を合わせにいったのかは不明だが、ダイワは以前の表記のほうが分かりやすかったと言える。(これは個人的な意見)
以上、簡単な私見的解説である。これらを踏まえて現在の各メーカーごとのリール選びについて解説していきたい。
では次項よりシマノ編の解説へ。